プロトピック(タクロリムス)軟膏による酒さ様皮膚炎の論文(大阪・皮膚科)
酒さ様皮膚炎(プロトピック軟膏による)
大学勤務医時代にプロトピック軟膏による酒さ様皮膚炎の論文を目にして(2012年)、注意が必要なことを認識し、それから多くのプロトピック軟膏による酒さ様皮膚炎を発症された患者さんを川崎医科大学でかなり多く経験したことにより、教授が教室員(スタッフ)に酒さ様皮膚炎の原因にプロトピック軟膏があることの注意喚起をよくしていました。
そのときの目にした論文が埼玉医科大学の寺木先生の論文です。
/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22626964/
Tacrolimus-induced rosacea-like dermatitis: a clinical analysis of 16 cases associated with tacrolimus ointment application
2012年に16名のプロトピック(タクロリムス)軟膏による酒さ様皮膚炎の報告です。
Demodex mites were often found in smears of skin lesions from patients with RD caused by steroids and tacrolimus.
毛包虫(ニキビダニ)がしばしば検出されるとのこと。
Treatment with topical metronidazole was effective in most RD patients.
メトロニダゾール外用が効果があった
この論文を知っていて、多くのプロトピック軟膏で悪化した酒さの方に遭遇すると、プロトピック軟膏を酒さに処方する気にはなれません(そもそも保険適応外なのですが、、、)し、処方する医師は悪化した患者を経験したことがないのかと思ってしまいます。