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顔にステロイド薬使用 注意点は(大阪・兵庫・皮膚科)(酒さ・Yahoo)タクロリムス軟膏、デルゴシチニブ軟膏

酒さ・酒さ様皮膚炎

9月9日のYahooの1面にこんな記事がでていました。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6404019

yahooの一面ですので、みられた方もおられるのではないでしょうか。小児科の先生が書かれたもので、ステロイドの使用について注意をしていただくにはいい記事なのですが、気になるところがいくつかあります。

●吸収率がよい顔面にステロイドを塗り続けると、その毛細血管が破綻して『あから顔』になるとありますが、酒さ様皮膚炎の病態は毛細血管拡張であって、破綻ではありません。さらにいうと、ステロイド外用により表皮の萎縮が進むことにより皮膚の毛細血管が透見できるようになっている状態です。病理組織学的にも、真皮内の毛嚢皮脂線内に肉芽腫性の炎症があるのが病態です。

●酒さ様皮膚炎の治療は、ステロイド外用薬の中止です(これは正解です)。その辛さを軽減するために、考えながらステロイド外用薬の減量を試みます。そして現在は、タクロリムス軟膏やデルゴシチニブ軟膏などの助けをかりることができますと記載がありますが、タクロリムス軟膏やデルゴシチニブ軟膏はアトピー性皮膚炎の保険適応治療薬であって酒さ様皮膚炎の保険適応治療薬ではありません。近年、医薬品の適応外使用を助長するような表現は制限されているのですが、、

●酒さ様皮膚炎の治療はこれらだけではありませんが、少々クセのある薬も含まれますので専門医にご相談くださいとありますが、海外の標準治療薬のメトロニダゾール外用薬をはじめとする外用薬は、使いやすい薬剤でたいしたクセもありません。

知識がある方はいいのですが、素人の方がこの文章をそのまま鵜呑みにしてもらわず吟味をしていただくためにコメントを書きました。参考になれば幸いです。