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酒さは毛穴の疾患(アゼライン酸、ノーリス)(神戸・皮膚科)毛穴の開き

付属器疾患

酒さの方から「毛穴の開き」「毛穴の色み」が気になるという声をよく受けますし、過去にいろいろな毛穴の施術を受けたという方をおみかけします。

酒さは教科書などでは付属器(脂腺)疾患に分類され、尋常性ざ瘡(ニキビ)に並んで記載されております。

酒さの紅斑(赤い)部の病理組織(顕微鏡所見)は、毛包周囲の炎症細胞浸潤血管拡張が特徴です(上図)。毛包周囲に炎症細胞が慢性的に存在しますので、毛包(周囲)に長期のダメージがある状態です。つまり、毛包周囲の炎症を抑えることをしないと、持続的に毛包のダメージが加わることになります。そのため、それらの炎症を抑える治療が内服薬や外用薬になります。

治療により酒さの赤みが軽減したあとに、毛穴に一致した茶色を自覚される方もおられますが、それは(炎症後)色素沈着の状態で、長期間に渡り毛包に炎症が生じていたことの証拠になります。

メトロニダゾール、イベルメクチンでは赤みを軽減される効果は高いですが、毛穴の炎症後の変化には効果が乏しいです。アゼライン酸は赤みを軽減させる効果は弱いですが、毛穴のつまりや色素沈着部にも効果がありますので、そのような時期の方にはアゼライン酸を勧めています。

また、IPL(ノーリス)を赤みを改善させるために治療法のひとつとてして導入したのですが、予想外だったのが赤みがひいたあとに気になっていた、茶色み、皮膚全体にはりがでてきて毛穴の調子がよくなった(毛穴の開きが小さくなった)、しわが目立たなくなったといわれる方がおられます(下図)。IPL治療が酒さを長年患っていた皮膚ダメージの回復を進めてくれる印象です。

毛穴の調子がいいのは、根本の炎症をとる治療と平行しているからだと思います。