ニキビ治療薬(ベピオ、ディフェリン、エピデュオ、デュアック)による「酒さ」の悪化(赤ら顔)あかみがひかない
ニキビ薬による酒さの悪化
最初近所の皮膚科を受診した時にはおそらく「早期酒さ」だったと思われる方にざ瘡(ニキビ)の診断がなされてしまい、ニキビ治療薬のベピオ、ディフェリン、エピデュオ、デュアック治療がされてしまい、酒さが悪化してしまい、「症状のはっきりとした酒さ」の方が以前から他県から来院されます。酒さを悪化させてしまう外用薬が幾つか存在しますで注意が必要です。「酒さ」と「ざ瘡(ニキビ)」は毛包主体の疾患であるため似ているところはありますが、皮膚症状は全く異なりますので、皮膚科医は鑑別できておくべきでありますが皮膚科医の中でも酒さの認知度が低いために誤診をされてしまう例があります。患者が担当医に刺激症状を訴えても、副反応であるから外用を続けるように説明をうけて頑張って塗布してしまいひどくなる方も遭遇します。これらのニキビ治療薬にはBPOといって過酸化ベンゾイルが成分に含まれています。BPOは角質を剥離するピーリング作用を有しています。また刺激作用として、赤み、ヒリヒリ感、皮むけ、乾燥が出現します(下図)。これらの副反応がおそらく「早期酒さ」の赤みを増強させ、「症状のはっきりとした酒さ」になってしまっているのだと思います。皮膚科医が「早期酒さ」を正しく診断し、すぐにロゼックスゲルなどの酒さ治療薬を適切に使うことが、これらの患者さんを減らすことにつながると思われます。当然ですが、「症状のはっきりとした酒さ(酒さの悪化)」は「早期酒さ」よりよくなるのに時間を要してしまい、そのような経過の方を診察しますと皮膚科医として複雑な気持ちになってしまいます。酒さは症状が特徴的で私が思いつくままにつくった「酒さかな?自己診断」も役にたつのではと思っております。